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米カーライル日本共同代表に聞く、投資案件、独自に発掘――企業との交渉に重点。2008/01/15, 日経金融新聞, 3ページ, 有, 1238文字
米大手企業買収ファンド、カーライル・グループの日本共同代表に就任した平野正雄氏は日経金融新聞に対し、「欧米よりM&A(合併・買収)市場が小さい日本ではファンド独自の投資案件の発掘能力を高めていく」などと投資方針を明らかにした。カーライルの二〇〇七年の日本での投資はゼロだったが、新体制で投資案件が増えそうだ。
カーライル・ジャパンは昨秋に経営体制を刷新した。会長に元通産官僚で日産自動車副会長を務めた伊佐山建志氏を迎えたほか、〇三年から同ファンドを率いる安達保氏と並ぶ共同代表として元マッキンゼー日本支社長の平野氏を招いた。
安達氏と平野氏はマッキンゼーにほぼ同時期に入社。カーライルは金融出身者が大半で、アドバンテッジパートナーズやベインキャピタルなど競合ファンドに比べコンサルタント経験者が少なかった。平野氏は「コンサルの経験を生かし、投資先の事業価値を引き上げる能力をより高めていきたい」と話す。
欧米で一兆円超のファンドによる大型買収が相次いでいた昨年前半、カーライルの共同創業者のデビッド・ルーベンスタイン代表は「欲ばかりが先行し、誰もが失敗を恐れなくなっている」と発言。他の大手ファンドに比べ大型のレバレッジバイアウト(LBO)を控えており、その分、サブプライム問題以降の痛手が小さかったとされる。
日本でもカーライルは「案件数に比べファンドが多すぎるため、入札案件では価格高騰が目立つ」(安達代表)として、入札案件よりも相対取引に重点をおいてきた。
半面、新たな投資は停滞している。〇四年に京セラと共同でKDDIから旧DDIポケット(現ウィルコム)を総額二千二百億円で買収したものの、〇六年十二月にユニゾン・キャピタルと共同で旧東芝セラミックスを総額八百三十億円で買収して以降は新規投資が完全にストップしている。
新体制では「ソーシング」と呼ばれる投資案件の発掘機能を一段と拡大していく方針。投資銀行や銀行の紹介だけにとどまらず、企業と独自に交渉してファンド自身が案件を見付ける機能を強化していく。
昨年一年間、新規の案件が全くなかったことについて安達代表は「入札による案件にはあえて参加しなかった。独自に発掘した進行中の案件も多数積み上がってきている」と説明。今年は「いくつかのディールが完了できるだろう」(安達氏)としている。
【表】カーライル・ジャパンの投資実績
投資時期 投資先企業 事業内容
2002年2月 アサヒセキュリティ 現金集配・出入金管理
03年9月 キトー クレーン製造
12月 コーリンメディカルテクノロジー 血圧計メーカー
04年10月 ウィルコム(旧DDIポケット) PHSオペレーター
12月 リズム 自動車部品
05年9月 学生援護会 求人広告・人材派遣
10月 クオリカプス 医薬品
06年12月 コバレントマテリアル(旧東芝セラミックス) 半導体向けウエハー
【図・写真】平野正雄氏
【図・写真】安達保氏
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