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種類株上場と新興市場再編

 投稿者:マンゴー  投稿日:2008年 3月 8日(土)01時10分11秒 eatkyo278209.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
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  種類株上場と新興市場再編(一目均衡)2008/01/29, 日本経済新聞 朝刊, 17ページ, , 1177文字

特別編集委員 末村篤
 東京証券取引所は実務者懇談会による「議決権種類株式の上場制度に関する報告書」を発表した。報告書は「出資に比例した支配」を原則に「投資家保護の要件を満たし、投資家に分かりやすい商品から解禁するのが望ましい」とした。
 上場会社による既存株主に不利な複数議決権株の新規発行は問題だが、種類株を発行済みの会社の新規公開や、上場会社の無議決権株の発行は認められてよいという内容だ。東証は報告書を下敷きに、買収防衛策として注目度が高い種類株の上場ルールを決める。
□ ■ □
 報告書はおおむね妥当だが、種類株の固定化を避けるべきだとしたのは絶対的な条件なのだろうか。東証一部を目指すベンチャー企業などの発展段階を想定しているのだろうが、種類株の潜在需要を持つ中堅企業は多様なのではないか。
 「資金調達はしたいが、経営権を脅かされたくない」。オーナー経営者の思いは株主権の乱用が目立つ昨今の市場環境を考えれば、ご都合主義と言い切れない。上場会社を持ち合いに走らせ、上場をためらわせる弊害を考えれば、温和な市場があっていい。
 例えば、地方経済の中核をなす伝統的な地場産業や老舗の同族会社が、オーナー経営を続けながら、情報開示など上場会社としての要件を満たし、配当優先株(無議決権株)などを発行することはあり得る。
 公開会社と閉鎖会社の中間形態は企業統治の問題があり、発行会社の資本コストは高くなる。投資家は株価上昇の期待を持ちにくく、証券会社は手数料を稼げない。ないない尽くしの壁に阻まれ、現実的とは思われないかもしれない。
 だが、会社と運命共同体のオーナー経営の良さもある。業績次第で増減配もあるが、事業基盤が確立していれば安定配当を期待できる。仮免許の上場で事業継承の選択肢は広がり、本格的な上場会社へ脱皮する企業も出てくるだろう。地方金融機関が従来通り融資を続けられるのだろうか。
 投資家も多様だ。売買目的だけでなく、長期保有で安定配当を望む投資家もいる。社会的責任投資(SRI)が関心を集め、ご当地ファンドも人気のご時世だ。地元企業を応援し地域社会をもり立てる中から、全国区に進出する企業も出てくる。そんな草の根投資の需要はあるはずだ。
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 日本証券業協会はジャスダック証券取引所を大阪証券取引所に売却する機関決定をした。コスト倒れに業を煮やした証券会社の意向のようだが、前身の店頭市場は長い目で多様な企業を発掘する苗代として、証券界の社会貢献もあってできたのではなかったか。
 処理速度とコストを競う効率万能主義も結構だが、埋もれた社会の需要に応えるのも市場の使命である。同着となった、種類株の上場問題と新興市場の再編を組み合わせ、地方証券取引所を巻き込んでジャスダックが音頭を取る全国ネットの地域振興市場の創設を真剣に考えてはどうか。
 

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