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投資尺度の基本(2)PBR(プロに聞く目からウロコの投資塾)2008/02/27, , 日本経済新聞 夕刊, 8ページ, 有, 1196文字
甲斐洋子氏
企業の「解散価値」表す
PERが株価と収益の関係に着目した指標なのに対し、PBR(株価純資産倍率)は株価がその企業の財務内容に対して割安かどうかを判断する投資尺度です。
株価を一株あたり純資産で割って算出します。純資産とは総資産から負債を差し引いたもので、企業が解散して総資産を処分したあとの取り分を表します。このため、PBRは企業の「解散価値」を表すという言い方がよくされています。純資産は予想数字ではなく、一般には実績値が用いられます。
PBRは一倍という水準が大きな意味を持っています。一倍なら、その企業が解散したとしても、株価にあたる金額が持ち株数に応じて戻ってくるということです。一倍を割り込むと、資産に対して売られ過ぎの状態にあると判断され、割安と見た買いが入りやすくなります。
例えば日立製作所の株価は、バブル後安値を脱した後、PBR一倍割れの水準では押し目買いで戻すという流れが続いていて、今年の相場急落局面でもこの動きが見られました。また、PBRの低下は、市場全体が売られ過ぎだということを説明する根拠としても用いられます。
バブル後の安値を付ける過程で、市場平均PBRの低下、一倍割れ銘柄数の増加が注目されました。二〇〇八年二月二十二日現在、東証一部の平均値は一・四五倍と、二倍近辺だった一年前を大きく下回り、一倍割れ銘柄数も半数近くに達していて、PBRを尺度とした状況は当時を思わせるものがあります。
PBRもPERと同じように、低ければそれだけ投資妙味があるというわけではありません。低PBRランキングを見ると、〇・一―〇・二倍台という一倍をはるかに下回る銘柄が並んでいますが、上位のほとんどは今期の業績が赤字予想で、先行きの見通しにも不透明感が拭えません。リストラや業績回復策が実って持ち直すことができるか見極めたうえで、選別していく必要があります。
PBRが低い銘柄の中には、財務内容が良くても利益成長に結び付けられず、株価が低迷しているものが見受けられます。投資家の立場からすれば、リスクを取ってまで投資する価値があるかどうか考えどころでもありますが、M&A(合併・買収)という視点に立ってみると、潜在能力のある企業を少ない資金で買収できるチャンス。つまり、お買い得な企業を探す指標とも言えるわけです。そういった企業が、株主価値を向上させる方向で「企業防衛」を進めることができれば、個人投資家にとっても十分魅力的です。
いずれにしても、肝心の財務体質が悪ければ、割安株を買ったつもりが大きなリスクを抱えてしまう結果になりますので、財務内容の分析が低PBR株投資の前提と言えるでしょう。
【表】主な低PBR銘柄
銘柄名 PBR(倍)
ロ プ ロ 0.15
駒井鉄工 0.22
栗本鉄工所 0.23
サンウエーブ工業 0.23
はるやま商事 0.27
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