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投資尺度の基本(3)ROE(プロに聞く目からウロコの投資塾)2008/02/28, , 日本経済新聞 夕刊, 8ページ, 有, 1148文字
甲斐洋子氏
効率的な利益成長示す
自己資本利益率(ROE)は、株主から預かった資本をいかに効率良く利益に結び付けているかを表す財務指標です。純利益を自己資本で割って%表示します。ROEが高いほど、株主が投資した元手となる資金に対して、多くの利益を生んでいることになります。
PERやPBRのように株価そのものの割安度を測るための指標ではありませんが、投資したお金が効率良く利益を生めば、将来の成長に投資する余力も生まれますし、企業価値の高まりは株価にも反映されると予想できます。
日本企業のROEは、ここ数年着実に上昇しています。二〇〇六年三月期から二年続けて九%台となりました。しかし、二〇%前後の値を示す欧米企業と比べると、まだ改善余地があると言えます。特に外国人投資家が重視する指標でもあるため、日本市場の中で彼らの影響が強まるにつれて、経営目標に具体的なROEの数値を掲げる企業が増えてきました。
私たちがROEを投資指標として用いる際は、市場平均を上回り、継続して数値を向上させている企業に注目するのがいいでしょう。
ROEを上昇させるためには、利益成長が重要なのは言うまでもありませんが、利益の蓄積によって自己資本が増えてしまえばROEの伸びは期待できません。増えすぎた自己資本を圧縮する手段としては、増配や、企業が自らの資金で自社の株式を買い入れる自社株買いなどがあります。
しかし、ROEを見る上ではいくつか注意しなければならない点があります。負債が多く自己資本が少ない企業のROEは高くなります。財務内容の健全性がROEに注目する上での前提です。また、純利益には本業以外の収益も含まれますので、売り上げや営業利益が伸びているかも押さえておく必要があります。
さらにROEは、PBR、PERとも密接に関係しており、PBR=PER×ROEという関係式が成り立ちます。上に示したように、それぞれの指標のところに、算出する式を当てはめて確認してください。ここではROEの式を一株ベースとし、本来自己資本が入る分母に、非常に近い数字である純資産を使っています。
この式を見ると、低PBR銘柄は、PERとROEも低水準である可能性が高いと予想されます。PERが一定なら、ROEが高いほどPBRも高くなりますから、資産から見た割安感を示す低PBRと、資本効率の高さを示す高ROEは相反する関係にあると言えます。低PBRかつ高ROEであるためには、PERは相当低い水準であることが必要です。
ROEは本来投資のための指標ではありませんし、PERやPBRももうかる銘柄を教えてくれる万能な指標というわけではありません。それぞれの特徴や関係を知って、複合的な視点から銘柄選びに取り組んでみてください。
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